舞台『ウェンディ&ピーターパン』君がピーターパンでいられるのはケア役がいるから
毎年JUMPのライブへ連れてってくれる友人に連れてってもらった、裕翔りんの舞台『ウェンディ&ピーターパン』
ジャニーズ事務所担みたいとこあるので、誘われたらなんでも行くやつ。
話の大筋はみんなが知ってるピーターパンなんだけど、イギリス演劇発祥ということもあって超~~イギリスっぽかった。(イギリスと切っても切れない、イギリスこそ本場!な業界にいるためしみじみそう感じた。)
AはAだ!とはっきり言うのではなく、遠まわしに皮肉を利かせた感じで淡々と言って聞かせる感じ。嫌いじゃない。この舞台はまさにそんな作風の舞台だと感じた。
昔好きな作家さんが、
「子供でいるということは車の後部座席で座って目的地を楽しみにウキウキしているだけのこと。そこから少し成長して助手席に座って、運転席の人のサポートをしたりする。そして大人になるということは、自分でハンドルを握る責任と引き換えに自分次第でどこへでも行ける自由を手に入れること」
というようなことを言っていたことを、この舞台を観て思い出した。
この舞台ではピーターパンはいつまでもネバーランドで子供のままでいることを願っていて、そしてそのためには自分達(男の子達)をケアしてくれるお母さん役(女の子達)が必要なんだ!と無邪気に言うシーンがあって。その残酷さを、それを言い放たれるウェンディの葛藤としてきちんと描いていてそこが良かったな。
話がそれまくるけれど、大人の関係の中でどちらかが完全なるケア役、運転手になったら終わりだと思ってる。大人と大人が対等に一緒にいるって、ケア役や運転手という役割を適材適所で交代できるように、建設的な話し合いができることだと思う。どんな場面でもずーーとどちらか片方がケア役、運転手であることって健全な関係とは言えないし、Sustainabilityのない関係性だよね、と歳を取るほどに思ってる。
だからこそ、明るい夢の世界の話の中で、人間関係の健全さや人が本当に成長することとは?という点を盛り込んでくれてたこの舞台は個人的に好みだったな。
学生時代は学生時代の、右も左も分からない新卒時代は新卒時代の、それぞれの楽しさがあったし若いって最強!とは今でも思うけど、中堅になった今だからこその楽しみもあって、誰かにハンドル任せてお気楽に後部座席に座っていたいとはもう思わないんだよな。誰かに自分のケア役を任せてピーターパンでいたいとは思わない。そう思わない大人になれたことにとても安心している。
世の中で腐るほど言われていることだけれど、本当に自分を幸せにできるのは自分だけだし、家族も恋人も友人も他人であって私物化してはいけないし、自己犠牲の愛は愛ではない。
油断するとそういう気持ちを忘れてしまいがちなので、こうやってジャニーズ舞台をきっかけにそういう気持ちに付箋を貼れることは幸せだなと思う。
さて、次の舞台は、自担矢花くんの出るDREAM BOYS 2021!!!!!!!!!!!!!!
無事今年もチケット確保している公演が観れますように。ご時世がご時世だけに幕が上がるまで緊張&不安で押しつぶされそう....
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